ニューオリンズ発、5泊6日のメキシコ湾から西カリブ海へのクルーズに行ってきた。毎年この時期には日本へ帰省していたが、家族でバケーションらしい休暇はしばらくしていなかった。今年こそは少し違ったことをしてみようということで、家族で初めてのクルーズに行くことになった。
夫も私も旅行好きで、世界中あちこちに行ってるが、個人旅行派でツアーなどに参加したことなどほとんどない。クルーズも同様、知らない人達と6日間も旅を共にし、食事もすべて選ぶ余地がないのかと思うと、最初は少しためらったが、小さい子連れなのでそれはそれで良いのでは。。。と、思いきって申し込んでみたのだ。いろいろグレードのあるクルーズ。クルーズラインによっても船によっても値段もグレードもピンからキリまである。家族で初めてということ、ニューオリンズ発の選択があまりないということ、それとメキシコでもマヤ遺跡の観光などもできるユカタン方面に行きたかったという理由で、カーニバルクルーズラインのイレーションという船を選んだ。豪華客船というよりは、値段も手頃で一般大衆向けの船。客層もこれぞアメリカというような、いろいろな人種や年齢層がミックスした感じ。ニューオリンズ発なので、サウスの住人が多いのかと思ったら、シカゴやもっと北のメイン州から来たという人達もいた。
さてクルーズでの食べ物だが、全く期待しないで行ったというのもあるが、全体的にそれほど悪くはなかった。基本的に船上での食べ物はすべて料金に含まれているので、3食どころかスナックタイムや夜食などいつでも食べることができる。メインのレストランは、ディナータイムは時間指定で決まった時間に決まったテーブルで決まったサーバー付きで3コースミールを食べるようになっている。毎日メニューも変わるので飽きないようにはしてあるようだ。でも、もっと気軽に食べたい時や時間外で食べたい時用に、ビュッフェレストランもある。子供達がやみつきになってしまったのが、アイスクリームとフローズンヨーグルトの食べ放題。親もバケーション中なので甘くなりがちで、子供達が自分ですごく大きなソフトクリームを作っては大喜びしていた。ビュッフェには、典型的なアメリカンスタイルのビュッフェ料理の他、巻き寿司コーナーやモンゴリアンステアフライ(自分で材料を選んで作ってもらう鉄板焼き)、ピザやサラダバーにデザートバーもあって、みんなが楽しめるようにできていた。この船のビュッフェの質は決して上級とは言えず、ファミレスをもう少し良くしたようなもの。それでも大海原の真ん中で青い空と海を見ながらの食事は私にとっては満足できるものだった。なにしろ小さい子連れなので、それでも上等といえる。
メインレストランは、サーバー付きでもっとフォーマルなところ。ズバ抜けておいしいと思うものはなかったが、魚など物によっては決して悪くはなかった。フォーマルナイトといってみんながドレスアップする夜にはロブスターテイルのディナーもでた。でも全体的にどれも単純な味つけでややオーバークック(火が通り過ぎ)のものが多かった。大衆向けのお手頃な価格のクルーズだったので、まあこんなものでしょう。日本でも料亭旅館に食べ物メインで泊まるのと、大浴場付きで娯楽施設のある大きな大衆向け旅館に泊まるのとで出てくる料理が違うのと同じ。そう言えば、カジノやゲームセンター、バーやカラオケやスパまでもあり、老若男女が集い楽しむクルーズ船は、子供の頃夏休みに家族で泊りに行った日本の大型温泉旅館を思い出させた。
今回家族で初のクルーズ。子供向けのキャンププログラムに子供を預けることもでき、大人も子供も楽しめる環境、そして大人だけでゆっくりくつろげる機会もあり、なーんにもしなくても次の日は別の港に着き、カリブ海の透き通るような青い海で遊び、のんびりとデッキのラウンジチェアで寝ころびながら海を眺め、食べ放題に食事も楽しめる。今まで考えもしなかった旅の仕方だけど、また今度はカリフォルニア発のクルーズに行ってもいいかな~と思えるくらい楽しかった。それに一番満足していたのが6歳の娘。船の中で新しい友達もでき、別れるのを惜しんでいたくらい。こうやってこの旅行も、私にとっての幼い頃の温泉旅行の思い出のように、子供たちの胸の中にいつまでも残ってくれればいいなあと思う。
下はクルーズ中の食べ物のランダムフォト。