わたしが初めてこのクッキーを食べたのはまだ日本にいたころ。夫の祖母がクリスマスクッキーを日本に送ってくれたことがありました。クリスマスの缶にとりどりのクッキー、その中にこのピーカンパフクッキーが入っていました。当時は知りませんでしたが、アメリカでクリスマス時期にクッキーを友人や親戚に送るというのはよくある慣わしなのです。初めての手作りアメリカンクッキーとナナ(おばあちゃんの意)の優しさに感動したのを今でも覚えています。
送られてくる途中、粉砂糖がかたまり、砂糖というよりホワイトチョコレートか何かのアイシングのようになっていました。ピーカンも日本ではまだ珍しかったので、そのかおりもかいだことのないものでした。何が入っているのかさっぱりわからなかったけど、とにかくそのおいしかったこと!また食べたいなぁと思っていたら、次の年からアメリカに住むようになり、それから毎年クリスマスはナナのピーカンパフを楽しめることに。食べるばかりで自分で作ろうともしないうちに、残念ながら祖母は亡くなりました。後に通った製菓学校でMexican Wedding Cookiesとしてその作り方を知りました。白くて丸い見かけから、スノーボールとも呼ばれています。でもわたしにとってこのクッキーはピーカンパフ。ナナがそう呼んでいたからです。外側が甘くて中がほろほろと口の中で溶けるような食感は、レシピは違えどナナのピーカンパフと同じ。このクッキーを食べると彼女のいたクリスマスを思い出します。
クリスマスクッキーの中では定番中の定番と言えるかもしれません。簡単に作れるので、今年のクリスマスにはこのピーカンパフ、ぜひお試しください。
- ピーカンナッツ 3/4カップ(85g)
- 中力粉 1¾カップ(225g)
- 塩 小さじ1/2
- バター(室温) 3/4カップ(170g)
- 粉砂糖 1/3カップ強(45g)
- バニラエッセンス 小さじ2
- 粉砂糖(仕上げ用) 適量
- 乾煎りして小さく刻んだピーカン、中力粉、塩を混ぜ合わせておく。
- ボールにバターと粉砂糖、バニラを入れ電動ミキサーで白っぽくなるまで混ぜる。1を入れ、こねないようにさっくりと混ぜ合わせる。ラップをし、冷蔵庫で15分ほど休ませる。
- 生地を2つに分け、1つを30cmの長さの棒状にのばす。2cmづつに切り15等分する。もう1つの生地も同様に15等分する。
- 手のひらで丸め、ベーキングシートをしいた天板に2-3cm間隔でおく。
- 予熱しておいた175度(華氏350度)のオーブンで15-20分焼く。
- 焼きあがったら、まだ熱いうちにクッキーに粉砂糖をまぶす。