今年もガールスカウトクッキーの季節がやってきた。毎年この時期、全米のガールスカウトに所属する女の子達が資金集めのために販売するクッキー。学校のお迎え時期や、人の出入りの多いスーパーマーケットの入り口付近、そしてご近所さんまわりなど、ガールスカウトの女の子達がお母さんに付き添われてカラフルな箱に入った数種類のクッキーを売っている。子供達が頑張って売っている姿を見て買ってあげたいと思う人ももちろんいるのだけれど、正直毎年この時期を楽しみにしているという大人もかなり多い。
私もこのクッキーのファンの一人。普段アメリカの一般的なスーパーで箱入りのクッキーを買うことは少ないけれど、このクッキーだけは別。最初は、スーパーに買い物に行くときに、頑張って売っている女の子達に「まあ一箱くらい買ってあげようか。」という気持ちで買っていたのが、ここかれこれ数年(十数年?)は、ほぼ毎年この時期私か夫かどちらかが、どこからしか買ってくるようになっている。
子供達のために良いことをしてあげたという満足感からか、または一年に一度しか食べられない味だからか、それともニコニコ笑顔で元気そうな子供達の写真付きのカラフルなパッケージからか、なんでもないクッキーのはずなのに、お味も特別なような気にさせられてしまう。普通のアメリカ人に、「あなたの好きなガールスカウトクッキーの味は何?」と質問して、たいていすぐに答えが返ってくるほど、みんなそれぞれお気に入りのガールスカウトクッキーの味がある。
私のお気に入りで毎年購入するのが、Thin Mints。チョコミント味の薄く焼かれたクッキーにさらにチョコレートがコーティングされているもの。これはガールスカウトクッキーの中でも一番人気の味らしく、これをまた必ず冷凍庫に入れて冷やして食べるというこだわり派もたくさんいる(私もその一人。)このThin Mintsは私の知っている限りでも熱烈なファンが多い。ヨーロッパやアジアで長年海外赴任をしていたアメリカ人の友人が、一緒に旅行した先のハワイで買い物中、スーパーマーケットの入り口でガールスカウトクッキーを見つけ、大喜びしていた。アメリカのもので懐かしいと思うのは他にもたくさんあるはずなのに、彼女が数年ぶりにこのThin Mintsを見つけたときの喜びようはすごかった。ハワイの特産品などには目もやらず、ガールスカウトクッキーを買い占めていた。
うちの夫はレモン系のファン。息子がレモン味が好きなのは確実にパパ譲りと言っていいくらい、うちの男達はレモン味が好き。毎年、レモンクリームをサンドしたクッキーを買っていたが、今年はLemonadesというショートブレッドにレモンアイシングをコーティングしたものを購入。これもさくっとしたショートブレッドと、甘酸っぱいレモンコーティングがマッチしてなかなかの味。あと、うちではあまり買わないけれど、アメリカではみんながお馴染みの味、ピーナツバターをサンドしたものなどもかなり人気のフレーバーだったりする。
毎年決まったところで買うというよりは、外で最初に見かけたり声をかけられたりした時に気軽に買っているのだが、今年はこの購入方法に変化が。ガールスカウトに所属する娘さんを持つママ友達がFacebookで「今年もガールスカウトクッキーの時期です。オーダーとりますよ~!」とアナウンスしているのを見て、飛びついてしまった。ついに、ガールスカウトクッキーのオーダーもFacebookでとれる時代が来たか・・・と感心してしまった。
そして今朝、娘が週末通う日本語学校で、先日Facebook経由で注文したクッキーを受け取った。今日はたまたま午前中いっぱい学校でボランティア活動をし、そしてその後そのまま近くの公園でお友達家族とピクニック。夕方日の暮れ近くまで外で子供達を遊ばせ、ヘトヘトになって帰ってきた夕飯時。ピクニックだというのに、他のオヤツは出してもこのガールスカウトクッキーは「ブログに書くために写真撮るし~」というのをいい理由に、しっかり自分のかばんの中にキープ。(本当は自分でゆっくり味わって食べたいからだったり・・・)
家に帰って暗くなる前にクッキーの写真を撮って、夕飯の支度をしながら大好きなThin Mintsを一口かじる。甘いチョコとミントの組み合わせ。朝から一日外に出ていた疲れを癒してくれる、甘いクッキー。そして箱にはまたニコニコ笑顔のアメリカの女の子達が写っている。こうやって、アメリカでは子供達だけでなく多くの大人達が毎年このクッキーに癒され、元気をもらい、そしてその引き換えにガールスカウトの女の子達が活発に活動して成長していくのである。