夫の大好物、チェリーパイ。誕生日にもケーキの代わりにチェリーパイ、サンクスギビングにもパンプキンパイよりもチェリーパイを希望するくらいに大好き。日本ではあまり馴染みのない酸味の強いサワーチェリーをたっぷり入れて焼くこのシンプルなパイは、アップルパイに次いで人気のある(少なくとも我が家では)とてもアメリカらしい味のパイです。
そういえば、1990年代にアメリカで大ヒットしたテレビシリーズ「ツインピークス」で、主人公のFBI捜査官クーパーがダイナー風のカフェで必ずこのチェリーパイを注文して食べていました。まだ日本に住んでいた学生の頃、このアメリカのドラマにはまっていた私は、姉と一緒に毎晩のようにビデオで鑑賞するうちに、この主人公の好むチェリーパイを一度は食べてみたい・・・と思ったものです。日本では、チェリータルト風のものはあっても、この大雑把でこれでもか~というくらいたっぷりチェリーの入ったパイは見かけたことなかったからです。
このチェリーパイ、全米のダイナーやカフェ、ベーカリーに行けばどこでも見かけることができます。スーパーマーケットのベーカリーでも買えるし、冷凍で焼くだけタイプのものも数多く出回っています。それでも、パイは手作りするのがやっぱり一番おいしいです!
チェリー(さくらんぼ)は、そのまま食べて酸っぱいくらいのサワーチェリーはなかなか手に入らないので、冷凍のものや缶詰(甘みを入れてないフルーツだけのもの)を使うと便利です。夫の大好物ということで、何度もいろいろな種類のチェリーを使ってこのパイは作っていますが、最終的においしいなと落ち着いているのが、Oregon Fruits Products という会社の種無しRed Tart Cherries。チェリーと水だけで、これを使ってパイのフィリングなどを作るように缶詰にされたもので、アメリカのスーパーではたいていどこでも見つけることができます。同じ会社からもう1種類、酸味の少ないタイプのチェリーの缶詰も出てますが、こっちのTart=酸っぱいタイプの方が断然おいしいです。
このレシピも、実はこのチェリーの缶詰のラベルの内側に印刷されているレシピなんです。甘さもちょうどよくとても食べやすいです。パイ生地は、軽くさっくり焼けるおいしいアメリカのパイ生地レシピで作ります。
- 砂糖 1/2~3/4カップ(好みで調整)
- コーンスターチ 大さじ3
- チェリー缶 2缶(1缶=14.5oz=411g)
- アーモンドエッセンス 小さじ1/4
- バター 大さじ1(細かく刻む)
- パイ生地レシピに従ってパイ生地2枚分を用意し、打ち粉をよくひいた台の上でパイ型のサイズより少し大きめの円形に伸ばし、1枚をパイ型の底に敷く。オーブンを205度(華氏400度)に予熱する。
- チェリー缶の汁気を切り、1缶分の汁(ジュース)を残しておく(約150ml)。
- 鍋に砂糖とコーンスターチを入れて混ぜ、チェリー缶の汁(1缶分=150ml)を足してかき混ぜ、よく混ぜながら中火にかける。とろみがついたら火かおろし、汁気をきったチェリーとアーモンドエッセンスを入れて混ぜる。
- 1のパイ型に3のチェリーを入れ、細かく刻んだバターを散らす。もう1枚のパイ生地をかぶせ端をとじ、表面に数箇所切り目を入れる。205度(華氏400度)に予熱したオーブンで30-40分焼く。
- 数時間冷ましてから(冷めるとチェリーが少し固まる)切り分ける。