ニューオリンズの空港に着いた時からずっと気になっていたことがひとつ。それは、これほどスターバックスを見かけない街は珍しいということ。短い滞在期間で街全体のことはわからないが、少なくとも中心部であるフレンチクオーター近辺ではほとんど目にすることはなかった。
街で出会った地元の人達はみんな「ニューオリンズのコーヒーはおいしいわよ。」と誇りをもって口にする。有名なコーヒーショップであるカフェデュモンドやカフェベニエにはかなり期待して行ったが、どちらもベニエ(四角い揚げがし)はおいしいのだけれど、コーヒーは今ひとつ。フレンチスタイルとはいえ、香りもコクもいまひとつ足りず、味の深みも少ない。ニューオリンズでは、チコリーの根を煎ってブレンドしたものが地元の味として知られているが、それが原因なのだろうか。。。それでも、一日2、3回はコーヒーを飲む私は、おいしいコーヒーを探し求めてみた。これだけ歴史や文化伝統を大事にし、地域色にこだわるニューオリンズの街で、どうしても地元の人の誇る「おいしいコーヒー」に辿りつきたかったのである。同じように地元色にこだわる私の故郷京都や、第二の故郷サンフランシスコでさえ、スターバックスがあちこちで見られる今、地元のコーヒーショップにこだわるニューオリンズではどれだけおいしいコーヒーが飲めるのだろうという好奇心もあった。
残念ながら、今回の旅ではその味に辿りつくことはできなかった。それほど時間もなかったということと、単にリサーチ不足だったのかもしれない。でも、地元ニューオリンズのコーヒーショップチェーンのものは飲んでみた。PJ’s と CC’s Community Coffee House の2軒。どちらもニューオリンズ発祥のコーヒーチェーンで、店構えもコーヒー以外の商品の品揃えも他のコーヒーチェーンと似たような形式。どちらも地元のローカルなコーヒーショップというのを売りにしている。飲んでみて味は決して悪くないと思った。でも、全米で数あるメジャーなチェーンのコーヒーの味とさほど変わりない。それなりにおいしいし、決して悪くはない。ではなぜ満足しないのか。。。それは私にもよくわからないが、いずれのショップもわざわざコーヒー豆を買って帰ろうとまでは思わなかったのだ。食文化で知られる街で、よほどの期待をしすぎたのか、どうしても好きになりたいという思いばかりが先走ってしまったのか。。。
ニューオリンズでは普通以上を求めていたからであろう。フレンチクオーターで最高においしいコーヒーに出会って豆を買って帰りたいと願いすぎていただけに、とても残念。これなら、サンフランシスコやロサンゼルスの方がもっとおいしいコーヒーが飲める。
でも、全米いやグローバルチェーンのコーヒーショップをあえて受け入れず、ローカル色を重視し、自分達の味を大事にするニューオリンズの人達のプライドは素晴らしいと思う。そしてその姿勢は他の観光都市でも見習うべきであると思った。
Yuko ブログ, おいしいアメリカブログ