アメリカ人の大好物、ピーナツバター。定番のPB&J(ピーナツバターとジャムのサンドイッチ)をはじめ、ピーナツバタークッキーやピーナツバター入りのチョコレートはどれもアメリカでは大人気。それが、ここ近年ピーナツアレルギーの人が増加し、学校などではナッツ入りのお菓子などは敬遠されることも多くなってきている。ベジタリアンの人用の豆腐で作った肉など、好きなのに食べられない場合の代替品を作るのが得意なアメリカでは、ピーナツバターに代わるそれらしいスプレッドがたくさん売られている。中でも、ナッツフリーで健康食としても知られているひまわりの種で作ったサンバターはここ数年注目されているようだ。
夏休みも終わり、アメリカも新学期。幼稚園と小学校に通う子供達のお弁当作りの毎日がまた始まった。うちのハーフの子供達のお弁当は、日本式のおにぎり弁当の日もあれば、アメリカンなサンドイッチに生野菜という日もある。中でも、一番手抜きで手っ取り早く、子供も大好きなのが、PB&J(ピーナツバターとジャムのサンドイッチ)。アレルギーの子供がいることを考慮し、なるだけ学校には持たせないようにはしていたのだが、持たせられるなら持たせたいのがこの簡単サンド。ハムやチーズなどの具の材料がきれていたり、時間なくてピンチな時には救世主なのだ。パンにささっとピーナツバターとジャムを塗ってはさみ、付け合わせにはこれまた手抜きのベビーキャロット(小さい生の人参)やプチトマトとリンゴやキュウリのスライスなんかをつめれば、3分以内で本当に典型的なアメリカのランチバッグに仕上がるのだから。どれも生で超手抜き!でも子供には意外と人気ありなので言うことなし。
今学期になって初めて、娘の通う小学校のカフェテリアのメニューにサンバター(ひまわりの種バター)のサンドイッチがのっていた。同時に、息子の幼稚園からは、同じクラスに重症のピーナツアレルギーの子がいるので注意してほしいという手紙が来ており、幼稚園の先生もこのサンバターを勧めていた。以前から存在は知っていながら食べたことのなかったサンバター。アーモンドバターなどの他のナッツのバターを試した時にあまり美味しいと思わなかったので、このサンバターも買おうと思ったこともなかったのだかが、昨日スーパーでなんとなく買ってみることに。お弁当作りのバックアップにもなるしね。
帰ってきて即味見。見た目は、ちょっと柔らかめのピーナツバターっぽい。オーガニックということもあり、油分が少し上に分離しており、それをナイフでさっと混ぜた感覚はドロドロのペースト。ペロっと一口味見した最初の感想は、「え?練りゴマ?」と、なんとも日本人な私。アメリカ人に言わすと、「ピーナツバターみたい!」だそうなんだけど。。。でも確かにナッツ(実)でないひまわりの(種)なのだから、ゴマに味が近くても納得できる。味は決して悪くない。パンに塗って子供に食べさせてみても、ピーナツバターでないのに気づいてないくらいだ。これなら学校にも持って行けそう。
ナッツや種はカロリーは高いけれど、栄養価はかなり優れているのも確か。気になって調べてみると、サンバターの原料のひまわりの種というのは、良質のたんぱく質や何よりもビタミンEがかなりたくさん含まれている。健康志向の人はもちろん、普通のアメリカ人でさえおやつ代わりにひまわりの種やかぼちゃの種をボリボリと食べている人を見たことあるけれど、なるほどヘルシーなのね。アンチエイジングや抗酸化作用によいビタミンEが大量に含まれていると知ったなら、子供のお弁当よりも私の朝食にトーストに塗るのもいいかも!なんとなく買ったわりには、大収穫かもとちょっと満足気分になった。