蕎麦、と言えば日本食なんですが、アメリカでも蕎麦は大人気。普通のスーパーで乾麺も買えるほどです。アメリカの農作物としての蕎麦粉の収穫量は昔も今もなかなかのもの。20世紀以降の小麦の改良により、すっかり白い粉が幅を利かせていますが、近年の、健康志向、あるいはアレルギー対策としてのグルテンフリー商品フィーバーで、再び蕎麦粉を使った料理が注目を浴びているようです。
ところが、時代に逆行している私は、白い粉が大好き。いけないと思いつつ、お菓子やパンにはついつい精製した小麦粉を使いがちです。パンケーキも然りで、「アメリカのパンケーキと言えばそりゃ白いやわらかいのにきまってるでしょ!」って言いたいところです。でも実はアメリカではパンケーキに蕎麦粉を使うのはそんなに珍しくはないのです。小麦粉が貴重だった1900年前後は蕎麦粉のパンケーキの方が主流だったようです。そんな蕎麦粉のパンケーキは数少ないアメリカの伝統料理と言ってもいいかもしれません。子どもの頃に読んでいた、ワイルダー作「小さな家」シリーズはちょうどその頃のアメリカ開拓民の話で、ときどき蕎麦粉のパンケーキがお話の中に登場しました。いったいどんな味がするんだろう、と思いをはせたものでした。
でも、この蕎麦粉、グルテンなしで、ちょっととっつきにくいんですよね。風味は日本人にとっては懐かしいものなのですが、仕上がりにふっくら感のないところがやっぱり今風ではないんです。100%全粒粉のパンが食べにくいように、蕎麦粉だけで作るパンケーキの歯ざわりも重くてちょっと苦手。パンケーキですから、やっぱりちょっとふわっとして欲しい、ということで、中力粉を混ぜてみると、なかなかいい感じ。「普通の」パンケーキと同じようにおいしく食べれました。
茶色いだけあって、蕎麦粉は栄養価が非常に高いです。主に炭水化物ですが、鉄分やミネラル、食物繊維も豊富なので白いのと比べるとどちらが体にいいかは一目瞭然・・・。白いもの好きとしては不本意ですが(笑)、50%なら蕎麦粉も悪くないかも。お好みでバターやシロップをかけてお楽しみください~。
- 蕎麦粉 1/2カップ(70g)
- 中力粉 1/2カップ(65g)
- 砂糖 大さじ1
- ベーキングパウダー 小さじ1
- 重曹 小さじ1/2
- 塩 小さじ1/4
- ヨーグルト(グリーク、かため) 2/3カップ(160cc)
- 牛乳 1/2カップ(120cc)
- たまご 2個
- サラダ油 大さじ2
- 蕎麦粉、中力粉、砂糖、ベーキングパウダー、重曹、塩を大き目のボールに入れ、泡だて器でよく混ぜ合わせる。
- 別のボールにヨーグルト、牛乳、卵、サラダ油を入れ、よく混ぜ合わせる。これを1の粉類の中に入れて、へらでさっくりと混ぜ合わせる。
- 中火に熱し、油(分量外)を薄く引いたフライパンに、生地を1個につき1/4カップ強ほど入れ、2-3分表面が少し乾いてくるまで焼く。ひっくり返して更に2分ほど焼く。