アメリカでパイと言えば、アップルパイやパンプキンパイ、レモンメレンゲパイなどいろいろありますが、夏のパイはやっぱり旬の果物を使ったものがおいしいんですよね。生の果物に火を通さないで、そのまま焼いたパイ生地の中にのせるんです。さくさくの生地と新鮮なフルーツの組み合わせはフルーツタルトのようです。
5月も終わりに近づいて、そろそろ桃が出回る季節になりました。アメリカでピーチパイというとアップルパイのように桃を生地の中に入れてオーブンで焼き上げるものが主なのですが、焼いた桃はりんごのようにしゃきっとした食感がないんですよね。本当に悲しいくらいぐにゃぐにゃに軟らかくなってしまって。そうするとどうも食べ応えがないというか、せっかくの桃がもったいないような気がするんです。大好きなフルーツの一つである桃は、やっぱりおいしくそのままでつるんとした歯ざわりを楽しみたい・・。
アメリカの有名なパイレストランのチェーン店、Marrie Callender’s では、春から夏にかけての季節限定でフレッシュピーチパイが食べれます。とはいうものの、最近ではこのレストランに行くこと自体滅多にないので、季節限定ものなんてありつけるわけもなく・・・残念ながらわたしはここ何年もフレッシュピーチパイは食べていません。じゃ、やっぱり作っちゃえ、ってことになりますよね。桃は白ではなく黄色いやつで。ピーチパイってそんな色だから、っていうだけの理由ですけど・・。生でたべるわけですからしっかり熟したものがいいのですが、熟れすぎて表面が柔らかくなったものもよくなくて・・2-3日前から計画を立てて、桃の熟れ時を狙って突撃~です。お店のピーチパイにはグレーズ(ソース)がどっさりかかっているんですが、これがまた甘すぎたりするので、ここでは桃の味を邪魔をしない程度の甘さにおさえておきます。やっぱり桃が主役ですから。
これからの時期ますますおいしくなる桃!夏のデザートにフレッシュピーチパイを是非お試しください。ほぼ生で食べるんですから、おいしくないわけがないです(笑)。
- パイ生地 直径23cm 1枚分
- 砂糖 1/4-1/2カップ(50-100g)
- コーンスターチ 大さじ3
- ピーチネクター 1½カップ (360ml)
- レモン汁 大さじ2-3
- 桃(熟しているがかための物、冷たくしておく) 6個
- 好みでホイップクリームやアイスクリーム 適量
- パイ生地を約6mmの厚さにのばす。直径23cmのパイ皿に敷き、全体にフォークで穴をあける。冷蔵庫で30分以上休ませる。
- 冷たくなったパイ生地の上にアルミホイルをのせ、パイ用の重石(あるいはあずきなどの豆)をのせて、摂氏190度(華氏375度)に予熱したオーブンで25分焼く。アルミと重石を取り、更に20-25分、こんがり色づくまで焼く。冷ましておく。
- 鍋に砂糖とコーンスターチを入れて混ぜ合わせる。そこにピーチネクターとレモン汁を加え、泡だて器でコーンスターチが溶けるまでよくかき混ぜる。鍋を火にかけ、かき混ぜながら、とろみがついて半透明になるまで中火で熱する。容器にあけ、完全に冷ます。
- 沸騰した湯に桃を30秒ほどくぐらせ取り出す。皮をむき、かなり厚めのくし切りにする。切った桃を3のグレーズソースとあえる。
- 焼いておいたパイ生地の中に桃を流しいれ、冷蔵庫で2時間冷やす。好みでホイップクリームを添える。