キャラメル風味のパイナップルをケーキの底にしきつめて焼き、お皿にひっくり返してサーブされるパイナップルアップサイドダウンケーキ。1920年代にパイナップルの缶詰が初めて出回った頃にアメリカで大ブームになったという、とってもアメリカンなケーキです。缶詰のパイナップルの輪切りの真ん中に真っ赤なチェリーでお花型というレトロのケーキも悪くないですが、ここでは新鮮な生のパイナップルをぎっしりしきつめて鉄のスキレットで焼きました。
正直のところ、自分でこのケーキを作るまで、パイナップルアップサイドダウンケーキが美味しいと思ったことはありませんでした。市販品や、ダイナーなどのオールドファッションなカフェで食べたことのあるアップサイドダウンケーキは、私にとってはいわゆる「あまり美味しくないアメリカのケーキ」だったのです。甘くて大雑把な味。ボール一つで作れて、それもスキレットで焼いてしまうという大雑把なアメリカのケーキですが、新鮮な材料を使って作ると、もうアメリカンケーキ万歳!とでもいうくらい、満足のできるおいし~いケーキになるのです。
まず、私の大好きな組み合わせである、パイナップル&ラム酒のコンビネーション。中でも、ここで使っているジャマイカのマイヤーズラムは私の大好きな味。お酒を飲めるようになってからというもの、まだ日本で学生の頃は京都の木屋町あたりのバーで友達とレゲエを聞きながら飲んだ味。そして、マイアミに住んでいる頃は、トロピカルなバーでこれでもか~と言うくらい飲んだピニャコラーダの味。パイナップル&ラム酒は、私にとっては回想的な味の組み合わせというか、とてもゆったりした幸せな気分になれる味でもあるのです。
かなり大げさで長い前置きになりましたが(笑)、このケーキ、めちゃくちゃ簡単で自分で言うのもなんですが美味しいです。美味しく仕上げるポイントは、なんと言っても生のパイナップル。そして少量ですが生地にも入るラム酒とパイナップルジュース。「缶詰使ったら、パイナップルジュースもそのまま使えるのに~。。。」なんですけどね。まあ缶詰でも悪くはないですが、やっぱり生のそれも熟した甘いパイナップルをたっぷり使いたいところです。ジュースだけは缶詰でOK。パイナップルはお花の形にならなくてもいいです。パズルのように、なるだけたっぷり底にしきつめて。ここでは、私の愛用するロッジの10インチのスキレットを使っていますが、オーブンに入れられるスキレットがない場合は、鍋でキャラメルソースを作ってから22-25cm くらいのケーキ型を使って焼いてもいいです。
ケーキでは少量しか使わないラム酒とパイナップルジュース。残りは氷をたっぷり入れたグラスに注いでカクテルにしてどうぞ~。
- パイナップル(生) 約1/2個
- 無塩バター 1/4カップ(55g)
- ブラウンシュガー(または三温糖)3/4カップ(150g)
- ラム酒 大さじ1
- 中力粉 1½カップ(195g)
- ベーキングパウダー 小さじ2
- 塩 小さじ1/4
- 無塩バター(室温) 大さじ6(80g)
- グラニュー糖 1/2カップ(100g)
- 卵(室温) 2個
- バニラエッセンス 小さじ1
- ラム酒 大さじ1
- プレーンヨーグルト(あればグリークタイプ)1/4カップ(60ml)
- パイナップルジュース(果汁100%) ¼カップ(60ml)
- 生のパイナップルは1個を縦に4等分し、芯と皮を取り除き1cm幅にスライスする。
- スキレットを中火にかけ、バターを溶かしブラウンシュガーを加えて3-4分どろっとなるまで煮詰め、ラム酒を加えて混ぜ火からおろす。
- オーブンを175度(華氏350度)に予熱する。中力粉、ベーキングパウダー、塩を混ぜ合わせておく。
- ボールに室温のバターとグラニュー糖を混ぜて電動ミキサーで白くもったりするまで混ぜ合わせる。
- 卵を一つずつ加え、さらに電動ミキサーで全体をよく混ぜる。
- バニラエッセンス、ラム酒、プレーンヨーグルト、パイナップルジュースを加えてさらに混ぜる。
- 粉類(中力粉、ベーキングパウダー、塩)を加えて、粉類が生地になじむまでさっと混ぜ合わせる。
- 2のスキレットのキャラメルの上にパイナップルをしきつめる。その上から7の生地をのせて、ゴムべらなどを使ってまんべんなく平らになるようにならす。
- 175度(華氏350度)に予熱したオーブンで30-40分焼く。竹串をさして何もついてこなければ焼きあがり。
- そのまま10分ほど冷まして、大きめのお皿をスキレットの上にかぶせ、皿とスキレットをひっくり返してケーキを皿に移す。室温になるまでそのまま冷ます。