日本でもお馴染みのイタリア料理の定番の前菜、カプレーゼ。トマト、モッツァレラチーズ、バジルを交互に重ね、上質のオリーブ油と塩コショウで味付けするだけの、とってもシンプルな一品。アメリカでも、イタリア料理の前菜として、そしてホームパーティーなどのテーブルでもよく見かけます。おいしさのポイントは、おいしい新鮮な食材。今日行ったマーケットの店員のおじさんが、「世界で一番おいしいトマトだね!」と言うくらいの、エアルームトマト(Heirloom Tomato)を使います。
「アメリカのトマトは、味が薄くて甘さに欠け、おいしくない。」と、アメリカに住む日本人やヨーロッパ人が口にするのをよく聞きます。私も、数年前まではまさにそう思っていたものです。どうしておいしくないかというと、それは大規模な農場で、商業目的に大量生産され、遠くにある大手のチェーンスーパーに出荷されるために熟す前に収穫され、倉庫に保管されたものだからです。いくら丸くて大きくて、そして表面は赤くても、どうも味が薄くすっぱくておいしくないトマト、確かに多いです。
それが、ここ数年、よくファーマーズマーケットなどで見かけるようになったエアルームトマトは、見かけさえ色も形もへんてこで大きさもバラバラなのですが、しっかりトマトの味がするとてもおいしいトマトです。私が初めてエアルームを口にしたのは、まだサンフランシスコに住んでいる頃。会社で仕事をしながら出産子育てしていた当時、週に一度オフィスに配達してもらっていた農家直送のオーガニックの野菜とフルーツの箱詰めセットに、夏になるといつも入っていたのがこのエアルームトマト達。色も形もとてもユニークで、「え~、これってどうして食べるの?」と思うようなものでした。一口かじってびっくり感動。歯ごたえもあり、味もしっかりして酸味も少なく、色によっても微妙に味が違い、なんとも楽しみながら食べられるトマトなのです。
エアルームトマトは、遠い昔にアメリカに移民してきた人達が、もともと家庭菜園として育てていたトマトで、各家庭(菜園)で何代にもわたって大切に育てられてきたものだそうです。色も形も大きさも食感もいろいろあって、その種類は何百にもおよぶとか。この時期、ファーマーズマーケットに行くと、各農家がみんなこぞって自慢のエアルームトマト達(いろんな種類があるので、なんとなくこう呼びたくなるのです。。。)をお披露目するかのように持ってきて、販売しています。ファーマーズマーケットに行かなくても、オーガニックの野菜やナチュラルフード系を扱うスーパーなどでは最近必ず見かけるようになってきました。
さて、今日のエアルームトマト達ですが、私がいつもよく利用する近所のマーケットBaronsで調達。地元カールスバッド(サンディエゴ北部)で採れた新鮮なものが、なんと1パウンド$1.99 という安値で。これはお値打ち!と思って大量にかごに入れたところで、お友達のKさんにバッタリ遭遇。「たくさん買うのね~!」とご指摘受けたところ、「そうよ~。ブログに使うわ!」と言ってしまったので、今日はエアルームのカプレーゼを作ることに。以下レシピです。と言っても、あってないようなレシピ。素材さえ良ければ必ずおいしくできるイタリアンの前菜。おいしいトマトにモッツァレラチーズ、新鮮なバジル、そして上質の塩と黒こしょうにエキストラバージンオリーブオイル。それさえ揃えば、切り方並べ方はお好きにどうぞ~。
来年は、エアルームトマト、家で育ててみようかな~。でもこの値段で近所で買えるならいいっか~。
- トマト 約2個
- モッツァレラチーズ 1-2個(大きさによって適宜)
- バジル 適宜
- 塩 適宜
- 黒こしょう 適宜
- オリーブ油(エキストラバージン) 適宜
- トマトとモッツァレラチーズは、約6-7ミリ程度の輪切りにする。(トマトが大きい場合は、縦に何等分かにしてから薄切りにし、チーズの大きさと揃えると食べやすい。
- 皿にトマト、バジル、モッツァレラチーズを交互に重ねる。
- 食べる直前に全体に塩、こしょうをし、オリーブ油をふりかける。